「賃金センサス」の意味と活用事例。

賃金センサス

もしも、「休業損害証明書」や「源泉徴収票」といったものがなく、給与額を証明するのが困難な場合は、厚生労働省が発表している「賃金センサス(census)」という平均賃金の指標をもとにして、休業損害を算出することも可能です。

つまり、実際の収入ではなく平均賃金をもとにして、事故前の給与額を便宜的に決めてしまってから休業損害を算出するということです。

平均賃金がもとになるわけですから、平均賃金をはるかに超える高収入を得ていた方にとっては納得がいかない結果にもなりかねませんが、給与額を証明できないという事情がある以上、我慢しなければなりません。

賃金センサスをもとにして休業損害を算出した例

としては、とある居酒屋チェーン店で店長をしていた27歳の男性が、交通事故により足を負傷、後遺症を負ってしまったことで店長を辞めざるを得なくなったという事案があります。

この男性は、月に50万円近くの月収を得ていたとのことですが、雇用主の帳票を見ても判断がつかず、その上源泉徴収も確定申告もしていなかったために、本当にその収入を得ていたのかどうかが判断できませんでした。

つまりこの男性には、給与額を証明するものがなかったのです。

ところが、男性が店長を務めていた居酒屋チェーン店の従業員の話だと、この男性は仕入れ・調理・接客・帳簿記載といった業務をこなしていたことがわかり、最終的には「賃金センサスの25~29歳男性の平均賃金を超える収入を得ていただろう」ということになり、休業損害を算出することができたとのことです。